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ここは「花待館」の別館となっています。非公式で「うみねこのなく頃に」「テイルズオブエクシリア」「ファイナルファンタジー(13・零式)」「刀剣乱舞」の二次創作SSを掲載しています。
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こんばんは。LRFF13の情報が段々出てきましたね。限定盤やら本編の情報やらでによによしています。
そんなわけで半分はLRFF13妄想ネタ、もう半分は「鮮やかな世界を見た瞬間」「悪夢」同様春コミの本と同じ設定のお話です。ファミ通インタビューによるLRFF13の若干のネタバレっぽい何かを含みます。
では、どうぞ。

愛しいあなたの見る夢は



拍手[6回]


出逢ったときから綺麗な人だと思っていた。
一緒に旅をして、可愛い人、愛しい人に変わった。
きっとそれはこれからも揺るがない。
では、加わる想いはどんなものか?


愛しいあなたの見る夢は


夜半にホープはふと目を覚ました。
何か予感があったのかもしれないし、ただ単に直感かもしれない。隣を見ると、愛しい人が、ライトニングが一糸纏わぬ姿で眠っている。
が、その寝顔は穏やかなものではない。
ぎゅっと苦しそうに顔をしかめて、白い額に玉の汗すら浮かべて眠っている。
「エクレールさん?」
額の汗を拭っても彼女が起きる気配はない。見ているものが悪夢ならかつてライトニングがしてくれたように夢から醒ましてやりたくて、肩を掴んで揺り動かす。
「起きてください、エクレールさんっ」
名前を呼んで揺さぶっていると、ライトニングの長い睫毛がふるりと震えた。
その奥から、いかにも眠たげな青い瞳が覗く。
「ん……ホープ……?」
紅い唇から、眠たげにとろけた声が漏れる。
「はい、僕です」
「ホープ……」
もう一度名前を呼んだ彼女の瞳は、覚醒したように見開かれた。
「ホープ!」
次いで、柔らかくて温かいものがぎゅっとぶつかってくる感触。
ライトニングに抱きつかれたのだと知るのに、そう時間は要しなかった。
「エクレールさん……?」
ぎゅうぎゅう抱き締めてくる白い腕はかすかに震えていた。
「どうしましたか?エクレールさん」
「……悪い夢を見た」
その言葉にホープは以前見ていた……今でも時折見る悪夢を思い出した。
ライトニングがいなくなって、時を越えて彼女を探す夢。
あの時、ライトニングも不思議な場所に飛ばされて、独りきりで戦う夢を見たと言っていた。
「エクレールさん、悪い夢って、もしかして……」
その問いに彼女は首を横に振る。
「あの夢の、続きだ」
「続き?」
「ああ。世界が終わる13日間の夢だ……」
ライトニングは以前の悪夢では、最後にクリスタルになって眠りについた。そうして解放者として再び目覚めた世界は、世界が終わるまで13日間しかない場所だったという。
「あり得た未来……前にそう言ったことがあるな」
「ええ。……もしああなっていたら、エクレールさんは同じ選択をする、そう言っていましたね」
「だが、あの選択は本当に正しかったのだろうか……そう思ってしまう。夢の話だとしても」
「エクレールさん……」
震える彼女の肩は細く、言いようのない切なさに襲われる。
ホープはその気持ちに抗うことなくライトニングを抱きしめた。
「僕は……?」
「え……」
ライトニングが顔を上げた。僅かに潤んだ目尻に口付けて、また問いかける。
「僕は、どうしてましたか?」
「お前は……お前は、スノウやノエルのように変わることはなかったな。いや、変わったと言えばそうなのだが……」
ノエルとはボーダム治安連隊にいるライトニングの同僚だ。
なんでもコクーンがクリスタルの柱に支えられたあの日に未来からやってきた新人らしいが、ファロン姉妹とは馬が合うらしく、仲睦まじく話しているのを見たことがある。
そのノエルに若干の焼き餅を焼きながら、ホープは口を開いた。
「変わらなかった……て」
「ホープはホープのまま、私をサポートしてくれた。……着るものと帰る時間に煩かったし、始終喋り続けていたがな」
「えっ」
頬をうっすら赤く染めて、ライトニングはそう言葉を絞り出す。
可愛らしいが、夢の中の、もといあり得た未来の自分は随分ライトニングに過保護らしい。
詳しく話してくれないから内容はわからないものの、これでは夫というより親ではないか。
「まぁ、ネコミミ持ってこられたときはどうしようかと思ったな」
「ネコミミっ!?」
ホープはあり得た未来の自分に対する評価を訂正する事にした。多少マニアックだが紛れもなく自分だ。
「だが」
ライトニングが微笑んで、ぽふんとホープの肩に頭を預けた。
「エクレールさん?」
「お前が変わらずに……傍にいてくれたから、私は戦うことができた。解放者を殺して未来を確たるものにすると叫ぶ世界で、正気でいられた」
安心しきったその声のなんと優しいことか。
だからホープはライトニングを抱きしめた。
「どんな未来でも、どんなあり得た世界でも、僕はエクレールさんを離しません。あなたは僕の世界そのものですから」
「大袈裟だぞ」
「そう言っても差し支えないくらい、僕はエクレールさんを愛してるんです」
ホープの肩に頭を預けたまま、ライトニングが笑った。
「あぁ、……私も、愛している」
世界が終わっても、異世界に引き離されても。
彼女のその言葉は本当に光のようだった。


出逢ったときから綺麗な人だと思っていた。
一緒に旅をして、可愛い人、愛しい人に変わった。
きっとそれはこれからも揺るがない。
そして、加わる想いはこの人を一生守り抜くという決意と、溢れんばかりの愛おしさ。
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