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ここは「花待館」の別館となっています。非公式で「うみねこのなく頃に」「テイルズオブエクシリア」「ファイナルファンタジー(13・零式)」「刀剣乱舞」の二次創作SSを掲載しています。
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お久しぶりです。原稿とネトゲやってました。FF14です。今のところ3つのサーバーにキャラクターがいます。楽しいです。
で、今回はずいぶん前に書いたのにUPし忘れていたキンセブ。リア充シリーズの番外編になります。『両手一杯の花束よりも』のセブン編@昼休み。
例に漏れず品のない表現があります。
では、どうぞ。

姉とシスコン




拍手[5回]


「セブン、リフレ行くぞリフレ」
サイスが有無をいわさずセブンの腕を取って教室を抜ければ、よくやったと言わんばかり、さもなければおろおろした顔の仲間たちが待ち構えていた。


姉とシスコン


「よくやったわ、サイス」
機嫌よくケイトが握り拳を突き出してきた。サイスも握り拳を作って軽くぶつける。
「たまにはセブンとお茶したかったのよね」
「あぅ……すまない、ケイト」
セブンがしゅんとうなだれた。その様は大層可愛らしいのだが、どうやら他の姉妹にレムも同意見だったらしい。シンクはセブンの右腕に纏わりついて、寂しかったよぅ、なんて言っている。
「まぁ、セブンにはいろいろ聞きたいこともあるからね。座ろう?」
セブンを連れてきた張本人であるサイスとしては、ケイトのあくどい笑顔にいやな予感が拭えなかった。



セブンとお茶をする会、もとい女子会はほとんどがセブンの話であった。0組のリア充バカップルは二組だが、もう1人のリア充ことレムは頻繁に近況報告と言う名の惚気を聞かせてくれるからである。
「で、セブン。キングとはどうなの?」
「どうって」
戸惑うセブンについついサイスの舌もなめらかになる。あめんぼあかいなあいうえお、なんて練習する必要もない。
「どこまでいったんだよ」
「い、依頼ならいろんな所に……」
この期に及んでお茶を濁すセブンを横目に、サイスは口を開いた。
「この間可愛いやつ着てデートしてただろ」
どうせ可愛いセブンに萌えていたに違いないが、妙に鼻息の荒かったキングを脅しつけたのはサイスの記憶に新しい。あのセブンは非常に可愛らしかった。
「う……それは……」
「バラ、沢山貰ってたよな」
「いや、処理に困ったんだが……」
「何それ詳しく!」
ケイトが見事に食いついてくる。だからサイスも口を開いた。
「つうかよ、セブン」
「なんだ」
「さっき自重しないって言ったばかりだろ。さあ吐け」
セブンの頬が、真っ赤に染まった。



依頼で出た際に、可愛いワンピースを買って貰った。それをキングと逢うときに着ていったところ、バラをプレゼントされた。
サイスが見た光景までの経緯は以上であるらしい。
「で?そのバラ、どうしたんだよ」
その問いにセブンが耳まで真っ赤にして俯いた。せいぜい飾ってあるだろうと予想していただけに、想定外の反応に戸惑う。
「な、んだよ」
「いや、その……」
おいおい、とサイスは心の中で叫んだ。飾ってあるのか、そうでないのかはわからない。が、単に飾ってあるわけではないらしい。
まさか、とサイスの脳裏を怪しい映像が過ぎる。見回せばリア充レムと末っ子デュース以外は反応に困るといった顔をしている。どうせ同じ物を想像したに違いない。
しばらく続いたその微妙な沈黙を破ったのはクイーンであった。
「セブン、嫌なことは嫌と仰いなさい。あとで後悔するのはセブンですよ」
「え?ああ、うん……」
「そうだよ~、無理しちゃ駄目だよ~」
「無理はしてないと思う……うん」
「それが無理してるって言うんじゃない?キングにはちゃんとはっきり言わないと」
「う、うん……」
みんなに言われるがまま、首を捻りながら頷くセブンに、サイスは口を開いた。もしかしたらセブンはそれが普通だと思っているのかもしれない。そうならば早いうちに正しておかなければ。
「変態プレイが嫌なら嫌って言えよ」
「ん……プレイ?」
「バラを買い込んで、そういうプレイをされたのでしょう?」今度はクイーンから諭すように聞かれて、セブンは首を傾げた。
「風呂にバラを突っ込んで……一緒に入っただけだが?プレイって、何の話だ?」
「は?」
予想外の返答に、レムとデュースを覗く姉妹の目が点になった。つまり、サイスたちが先走って変な妄想を繰り広げただけらしい。
「別に風呂ぐらい、小さい頃から何度も入っているからいいかと思ったんだが……花びらが肌に張り付いて鬱陶しくて。でもキングは目を背けてた」
「いや、お前……」
「サイス、顔が赤いです」
つ いついセブンの湯に濡れた白い裸体に赤い花びらが纏わりついているのを想像する。艶やかというか、妖艶というか、思わずごくりと喉が鳴って、クイーンに窘められる。そんな姿のセブンを前にして、襲いかからなかったキングは、もしかしたらセブンを託すのに一番良いのではないだろうか。サイスはちょっとだけ、 キングを見直すことを検討した。
「でもさぁ、一緒にお風呂って、キングが言い出したの?」
「ああ。花瓶がないって言ったら、風呂に入れればいいって。……責任は取るからって」
幸せそうにのろけるセブンは可愛いが、冷静に考えれば彼女の貞操の危機である。ケイトもそう思ったらしく、責任て、と天井を仰いだ。
「よくわかりませんけど、合意の上ならいいんじゃないでしょうか……?」
「私もそう思うんだが……」
デュースとセブンが頷きあっている。本当の姉妹みたいだ。和みかけて、サイスはいかんいかんと首を振った。
それ以前に。
「セブン……お前、まさか」
「ん?どうしたサイス、顔色が悪いぞ」
「まさか、もうキングに食われ……」
たのか、とは聞けなかった。セブンがトマトみたいに頬を真っ赤に染めて俯いたからである。その仕草を見ればなにがどうなんて一目瞭然。聞くだけ野暮である。
「キングぜってぇ刈ってやる」
ドスが利き過ぎるほど利いた低音に、レムが困ったように笑った。
「将来を誓った恋人ならおかしくないことだよ」
「あんたんときも聞いた。でもなぁレム。それとこれとは違うんだよ」
えっ、とレムが言葉に詰まる。シンクがにこにこ笑いながら真実を告げた。
「サイスはね~、シスコンなんだよ~。セブンが好きなんだよね~」
そう。サイスはシスコンである。小さい頃にいつも傍にいて、面倒を見てくれたのがセブンだった。だからサイスはセブンが好きで、特別大切なのである。だからセブンを守りたくて、セブンをかっさらっていったキングが恨めしいのだ。
「シスコンで悪いかよ。セブンを泣かせる奴は鎌の錆にしてやる」
はっ、と笑って見せると、セブンが穏やかに微笑んだ。
「キングに伝えておかないとな」
その笑顔があんまり綺麗で幸せそうだから、サイスはキングを見直すことを検討せざるを得なくなる。
だが。
「やっぱセブン食ったのは許さねえ。……あたしがセブンにくっついてない隙を見計らいやがって……」
「そもそもサイス、あんまりくっついてないよね」
「でも見てた。セブンが絡まれてるの、柱の陰から全部見てたんだ」
「何で助けてくれないんだ……」
セブンががっくりうなだれた。助けなかったわけではないが、そこまで手が回らなかったのも事実。「セブンたんの鞭で攻撃され隊」なる変態集団を闇に葬っていたら、助ける余裕がなかったのだ。それを素直に白状すると、セブンの表情が引きつった。
「いや、初耳、なんだが」
「そりゃそうだろ。奴らなかなか尻尾を出さなかったからな」
「何でサイスは知ってるんだ」
「偶然見かけた」
そう。セブンの武器が鞭だと知った変態どもがひっそりと騒いでいるのを偶然知った。そんな変態から愛するセブンを守るべく、同じシスコンのジャックと一緒に地道に狩りを続けたのは良い思い出だ。
「まぁキングも知ってたんじゃね?見えるようにいちゃつきやがってあの刈り上げ野郎刈ってやる」
そう。サイスとジャックが変態どもを刈っている間、キングはセブンといちゃついていたのだ。セブンファンにも、変態どもにも、ついでにシスコン2人にも見せつけるように。
だが、セブンは優しげに微笑んで、こう言った。
「そうか、ありがとう。きっとキングも感謝してるよ」
その言葉にはキングに寄せる絶対的な信頼が滲んでいる。羨ましいけれど、キングを超えることはきっと出来ない。だからサイスは悔しさを堪えて笑った。
「セブン泣かせたら、キング刈ってやる。だから幸せになれよ」
頷いたセブンの笑顔はとっても幸せそうだった。



翌日。
セブンから薫っていたのは彼女自身の匂いでもバラの匂いでもなく、キングの香水の匂いだった。
とりあえずサイスは堪忍袋の緒というやつを引きちぎってみることにした。
「野郎てめぇ、刈ってやる!」
0組は今日も平和であった。
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