ここは「花待館」の別館となっています。非公式で「うみねこのなく頃に」「テイルズオブエクシリア」「ファイナルファンタジー(13・零式)」「刀剣乱舞」の二次創作SSを掲載しています。
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お久しぶりです。暑くなって来ましたね。
最近零式2週目クリアしまして、エクシリア2とかFF13-2とかやりたいですが、時間が取れないのが実情。
そんなわけで今回はホプライ。「悪夢」と同じ、春コミのホプライ本の設定の話です。原作時点のお話。
では、どうぞ。
鮮やかな世界を見た瞬間
最近零式2週目クリアしまして、エクシリア2とかFF13-2とかやりたいですが、時間が取れないのが実情。
そんなわけで今回はホプライ。「悪夢」と同じ、春コミのホプライ本の設定の話です。原作時点のお話。
では、どうぞ。
鮮やかな世界を見た瞬間
その想いが芽生えたのは、いつだっただろうか。
気付いたときには心の中に彼女が住んでいた。
彼女に逢うためにルシになったのだとさえ思った。だから、
今、こんなにも胸が苦しい。
鮮やかな世界を見た瞬間
「ライトさんは僕のことを……」
好き、普通、好き……。
ホープの手の中で白い花びらがはらはらと散ってゆく。いわゆる花占いというやつである。
好きの次が嫌い、ではなく普通、なのは万が一を考えてのことだ。もし好き、嫌いで占って偶数だったら立ち直れない。
「好き、嫌い……好き……あ」
ホープの目の前で、花びらが最後の一片になった。つまりこの花は偶数だった。
「あ……う……」
普通にしたって立ち直れない。
代わりに体の中で魔法が生成されて、ホープは何の迷いもなくそれ……ラストリゾートを何の罪もない花に向けてぶっ放した。
「嘘だ~っ!!」
花が跡形もなく消え失せて、幾分か落ち着いた彼が肩で息をしていると、ぽん、と肩を叩かれた。
「こら、悩める青少年!花を粗末にするのは良くないぞ!」
「ヴァニラさん……だって、ライトさんが好きなんです」
「気持ちは分かるけど、悩んでるくらいなら言えばいいんじゃないかな?」
それができたら苦労はしない。
いや、伝えるだけなら問題ない。問題はライトニングが本気にしてくれなさそうなところなのだ。
「目一杯アピールしてるんですけどね……。やっぱり孔雀の羽でもつけた方がいいですかね?」
「アピールだけじゃ駄目だよ!私もどうやったらファングと一緒にいられるか悩んだけど、ちゃんと言わなきゃ!」
孔雀の羽は論外だよ!とヴァニラが憤慨する。
クジャクの羽は冗談と言えば冗談だが、やはりアピールだけでは伝わらないようだ。
「伝えないと、ライトさんも心配しますよね。僕のこと」
「そうそう!今のままじゃライトニングもホープがお花むしって魔法ぶっ放す不審者になった、って悲しむよ!私とファングも協力するから!」
無邪気な悪意のない笑顔でヴァニラが頷く。
その言葉のあんまりな使い方に、ホープはとんでもないものを見た心地がした。
「……え?」
ヲルバの2人が楽しそうにライトニングに近寄っていったのは、夕飯でのことだった。
「よお、ライト」
「ファングか」
「ちょっとガールズトークしようぜ」
黙ってみていたホープは首を捻る。
決してファングとガールズトークという言葉に違和感を覚えたわけではなく、想像できる話の内容がガールズトークと結びつかなかっただけである。
「構わないが」
ライトニングは特に違和感を感じなかったらしい。真面目な顔で頷いた。
ファングはにやりと何か企んだように笑ったが、すぐにがしがし頭を掻く。
「ファング?」
「ん~……どうもまどろっこしいのは苦手なんだよなぁ……おいライト、お前彼氏とかいるのか?」
思わずホープは飲んでいた水を吹き出した。
本当に本当のガールズトークだ。
が、それにしても直球すぎる。
ホープの心の準備ができない。
が、そんなホープの心中など知る由もないライトニングは無情にも答えてしまう。
「特にはいないが……いたとしてもこの状況では、な」
よかった、フリーだ。
ホープが安堵のため息を吐いたのもつかの間、じゃあ、といつの間にかいたヴァニラが身を乗り出した。
「じゃあ、ライトニングのこと、好きって人が出てきたら?」
「だからこの状況では」
「んもう!そういうの抜きで!」
ライトニングの言葉を遮って、ヴァニラは解答を迫る。
「いや、その……私の気持ち、次第じゃないのか?」
気圧されたライトニングは戸惑うようにそう答えた。その姿は可愛らしいけれど、却って自分の想いが空回りそうで、ホープは俯いた。
ライトさんの気持ち、考えてなかった。
そう、後悔の念が胸につもる。
告白したら受け入れられる訳ではないのだ。
頭を冷やそうと立ち上がろうとすると、肩を後ろからがしりと掴まれた。
「逃げんな。伝えろ」
「ファングさん!?」
いつのまに、と驚く間もなく、ファングはホープをライトニングに向かって突き飛ばす。
「ほら、ライトに伝えろよ」
「ライトニング、ホープのこと、聞いてあげて」
ヲルバの2人の声援を受けて、ホープはたたらを踏んだ姿勢を慌てて正した。
ゆっくり歩いて、座ったままのライトニングの肩を掴む。
「ライトさん」
声が、裏返りそうだ。
深呼吸をして、口を開く。
「あなたのことが、世界中の誰よりも大好きです!」
「……!」
世界の進みが、変わった気がした。
怪訝な表情をしていたライトニングの目がまん丸に開かれて、ついで白い頬が赤く染まってゆく。
ついでに唇も半開きだ。
そうしてライトニングがきゅっと目を瞑って立ち上がって……ホープは柔らかくて温かい身体に包まれた。
ライトニングだ。
彼女がぎゅっと、パルムポルムのときのようにホープを抱きしめているのだ。
「……好き、だ」
掠れた、小さな声。
ホープには確かに好きだとそう聞こえた。
「ライトさん……」
「私も、ホープのことが、好きだ」
その言葉だけで、世界に鮮やかな色が付いた。
想いが通じた。
それだけで、こんなにも嬉しい。
「恋人同士、ですよね?」
「あ、あぁ、そう、なるな」
抱き合ったままそう囁きあう。
「だが、キス以上は、しないからな」
それでもいいです、とホープは囁いた。
世界が、キラキラして見えた。
気付いたときには心の中に彼女が住んでいた。
彼女に逢うためにルシになったのだとさえ思った。だから、
今、こんなにも胸が苦しい。
鮮やかな世界を見た瞬間
「ライトさんは僕のことを……」
好き、普通、好き……。
ホープの手の中で白い花びらがはらはらと散ってゆく。いわゆる花占いというやつである。
好きの次が嫌い、ではなく普通、なのは万が一を考えてのことだ。もし好き、嫌いで占って偶数だったら立ち直れない。
「好き、嫌い……好き……あ」
ホープの目の前で、花びらが最後の一片になった。つまりこの花は偶数だった。
「あ……う……」
普通にしたって立ち直れない。
代わりに体の中で魔法が生成されて、ホープは何の迷いもなくそれ……ラストリゾートを何の罪もない花に向けてぶっ放した。
「嘘だ~っ!!」
花が跡形もなく消え失せて、幾分か落ち着いた彼が肩で息をしていると、ぽん、と肩を叩かれた。
「こら、悩める青少年!花を粗末にするのは良くないぞ!」
「ヴァニラさん……だって、ライトさんが好きなんです」
「気持ちは分かるけど、悩んでるくらいなら言えばいいんじゃないかな?」
それができたら苦労はしない。
いや、伝えるだけなら問題ない。問題はライトニングが本気にしてくれなさそうなところなのだ。
「目一杯アピールしてるんですけどね……。やっぱり孔雀の羽でもつけた方がいいですかね?」
「アピールだけじゃ駄目だよ!私もどうやったらファングと一緒にいられるか悩んだけど、ちゃんと言わなきゃ!」
孔雀の羽は論外だよ!とヴァニラが憤慨する。
クジャクの羽は冗談と言えば冗談だが、やはりアピールだけでは伝わらないようだ。
「伝えないと、ライトさんも心配しますよね。僕のこと」
「そうそう!今のままじゃライトニングもホープがお花むしって魔法ぶっ放す不審者になった、って悲しむよ!私とファングも協力するから!」
無邪気な悪意のない笑顔でヴァニラが頷く。
その言葉のあんまりな使い方に、ホープはとんでもないものを見た心地がした。
「……え?」
ヲルバの2人が楽しそうにライトニングに近寄っていったのは、夕飯でのことだった。
「よお、ライト」
「ファングか」
「ちょっとガールズトークしようぜ」
黙ってみていたホープは首を捻る。
決してファングとガールズトークという言葉に違和感を覚えたわけではなく、想像できる話の内容がガールズトークと結びつかなかっただけである。
「構わないが」
ライトニングは特に違和感を感じなかったらしい。真面目な顔で頷いた。
ファングはにやりと何か企んだように笑ったが、すぐにがしがし頭を掻く。
「ファング?」
「ん~……どうもまどろっこしいのは苦手なんだよなぁ……おいライト、お前彼氏とかいるのか?」
思わずホープは飲んでいた水を吹き出した。
本当に本当のガールズトークだ。
が、それにしても直球すぎる。
ホープの心の準備ができない。
が、そんなホープの心中など知る由もないライトニングは無情にも答えてしまう。
「特にはいないが……いたとしてもこの状況では、な」
よかった、フリーだ。
ホープが安堵のため息を吐いたのもつかの間、じゃあ、といつの間にかいたヴァニラが身を乗り出した。
「じゃあ、ライトニングのこと、好きって人が出てきたら?」
「だからこの状況では」
「んもう!そういうの抜きで!」
ライトニングの言葉を遮って、ヴァニラは解答を迫る。
「いや、その……私の気持ち、次第じゃないのか?」
気圧されたライトニングは戸惑うようにそう答えた。その姿は可愛らしいけれど、却って自分の想いが空回りそうで、ホープは俯いた。
ライトさんの気持ち、考えてなかった。
そう、後悔の念が胸につもる。
告白したら受け入れられる訳ではないのだ。
頭を冷やそうと立ち上がろうとすると、肩を後ろからがしりと掴まれた。
「逃げんな。伝えろ」
「ファングさん!?」
いつのまに、と驚く間もなく、ファングはホープをライトニングに向かって突き飛ばす。
「ほら、ライトに伝えろよ」
「ライトニング、ホープのこと、聞いてあげて」
ヲルバの2人の声援を受けて、ホープはたたらを踏んだ姿勢を慌てて正した。
ゆっくり歩いて、座ったままのライトニングの肩を掴む。
「ライトさん」
声が、裏返りそうだ。
深呼吸をして、口を開く。
「あなたのことが、世界中の誰よりも大好きです!」
「……!」
世界の進みが、変わった気がした。
怪訝な表情をしていたライトニングの目がまん丸に開かれて、ついで白い頬が赤く染まってゆく。
ついでに唇も半開きだ。
そうしてライトニングがきゅっと目を瞑って立ち上がって……ホープは柔らかくて温かい身体に包まれた。
ライトニングだ。
彼女がぎゅっと、パルムポルムのときのようにホープを抱きしめているのだ。
「……好き、だ」
掠れた、小さな声。
ホープには確かに好きだとそう聞こえた。
「ライトさん……」
「私も、ホープのことが、好きだ」
その言葉だけで、世界に鮮やかな色が付いた。
想いが通じた。
それだけで、こんなにも嬉しい。
「恋人同士、ですよね?」
「あ、あぁ、そう、なるな」
抱き合ったままそう囁きあう。
「だが、キス以上は、しないからな」
それでもいいです、とホープは囁いた。
世界が、キラキラして見えた。
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