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ここは「花待館」の別館となっています。非公式で「うみねこのなく頃に」「テイルズオブエクシリア」「ファイナルファンタジー(13・零式)」「刀剣乱舞」の二次創作SSを掲載しています。
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お久しぶりです。ゴールデンウィークもおわり、仕事にも少しずつ慣れてきました。
でもってプレイしてハマったFF零式で妄想する余裕もすこしずつできてきました。もうすこしオリジナル二次創作両方においていろんな作品を更新する頻度が高くなればいいなと思っていますが、時間的な余裕がきちんとできてからかなぁと思います。
そんなわけでFF零式よりキング×セブンのギャグ小話です。小説読んでこの二人が夫婦すぎた。
只のバカップルがいちゃついてる話です。
では、どうぞ。

「部屋でやろう」~今週の標語~




拍手[2回]


ガラス窓に雨粒が弾けるのを見ながら、腕の中にいる柔らかな身体を抱きしめた。大人しくされるがままになっている彼女を愛おしく思いながら銀色の髪に鼻先を埋める。
「なあ、キング」
腕の中の彼女がおずおずと口を開いた。
「なんだ」
何か言いたいのなら言えばいい。続きを促すが、彼女は恥ずかしそうに口を噤む。
「俺にまで我慢するな、セブン」
抱きしめたままの腕の力を強めて、今一度続きを促す。意味をなさない呻き声の後にようやく答えが返って来る。
「その……どうしてもここじゃなきゃダメか?」
その瞬間、キングは自分が今どこで何をしているのかを改めて思い知って……穴を掘ってうずまりたくなった。

「部屋でやろう」~今週の標語~

現在地。朱雀領ルブルム首都ペリシティリウム朱雀の魔導院、0組の教室。
現在の時間。クラサメ隊長による授業終了後の休み時間。
現在地にいる人数。何故か0組全員。いつもは忙しいと言わんばかりにどこぞに散っているくせに、今日に限って何故かいる。
キングの現在の行動。自席に座って半強制的にセブンを膝の上に乗せて、ぎゅうぎゅうと抱きしめている。所謂リア充行為である。
どうしてこうなった、とキングは頭を抱えた。セブンの表情は見えないが、きっと白い頬を真っ赤に染めた、それはそれは可愛らしい表情をしているのだろう。そんな二人を見つめる仲間の目は生暖かい。
「なあキング。クリスタリウムにこんな張り紙がしてあってな」
生暖かい、というよりはまるで変態か不審者でも見るような目をしたサイスが一枚の紙を突き付けてきた。
「クリスタリウムに行くようになったんだな」
おまえがクリスタリウムなんて単語を発するようになるなんてと感心すれば、彼女は額に見事な青筋を立てて見せた。
「黙ればいいと思う。あとセブンにそういうプレイすんな。こいつの部屋、エロ本の一冊もねえから」
「そういうこと言うなサイスっ!」
さりげなく16歳の女子にあるまじきことを発言したサイスにセブンが叫んだ。
「エロ本は18歳未満購入禁止だ」
キングもそう返しながら突き付けられた紙に目を通す。
男子生徒と女子生徒が教室と思しき場所で人目も憚らずに弁当を食べさせあっている。只のリア充の構図だ。その下にはこう書かれている。
『部屋でやろう』
『魔導院は一般市民も訪れる公共の施設です。アギト候補生・訓練生である自覚を持ち、周囲の迷惑になることはやめましょう。 -院生局』
「……つまり0組は全員爆発しろと」
どうせ0組はリア充ばかりだろうとキングが呟けば、セブンがこちらに振り向いた。
「そうか、この標語はリア充爆発しろってことか……」
途端にサイスの怒声が爆発する。
「お前らだけで爆発してろよあたしたちを巻き込むんじゃねぇよ!」
とにかく、とサイスはきりきりと眉を吊り上げて不機嫌極まりない声を張り上げる。
「セブンに羞恥プレイとかすんな。見てるこっちが恥ずかしいんだよ」
「……そんな知識を身に付けるようになったんだな」
セブンの腹を撫でながらしみじみと呟くと、「何処の父親だよ!」と三度サイスが怒鳴り散らした。
「そもそもなんで今日に限ってお前らがここにいるんだ」
そ知らぬふりをして、恥ずかしさなどみじんも感じさせないよう振る舞ったが、キングとて羞恥心がないわけではない。むしろ穴を掘って埋まってしまいたい。セブンを膝の上に乗せて抱きしめること自体に羞恥はないが、あまり外で見せたいとも思わない。いつも休み時間の教室にはモーグリぐらいしかいないから、ついついうっかりいつも通りセブンを抱きしめてしまっていたというわけだ。
が、そんなキングの気持ちをセブン以外は察してくれなかったらしい。
「ここは0組の教室です。私たちがここにいるのは当然だと思いますが?」
とはそれはそれは不審者を見る女子候補生のような眼差しをしたトレイが嫌味っぽくそんなことを言う。
「だ、だっていつもあんたたちは教室にいないだろ!」
恥ずかしそうに頬を染めて抗議してくれるセブンに、妹たちは揃って気の毒そうな目を向けた。ついでにトレイの嫌味も炸裂する。
「良いですか、セブン。そもそも私たちはリア充するために候補生になったのではありません。そこはあなただって分かっているはずですが」
「でも……だな」
「デモもストもありません。私たちはマザーの命でアギトになるためにここにいるのです。そもそも候補生とはアギト候補という意味で、リア充候補という意味ではないのです。アギト候補生たるもの、いついかなる時でも周囲に恥ずかしくない行いをすべきです。……というかあなたたちはいつもそんなことをしているのですか」
「う……それ、は……うん」
しゅん、とセブンが項垂れる。珍しく脱線せず、割合短くまとまったトレイの話を受けて、クイーンがこんなことを言った。
「軍令部に行ったときに、院生局の方から最近候補生の規律が乱れているという話を伺いました。こんな時勢ですし、そういうこともあろうとわたくしとしては特に問題も感じなかったのですが、キングもセブンももう少し考えて行動してください」
「俺たちだけのせいじゃないだろう」
確かに教室でリア充行為をしていたのは自分たちだが、とキングは反論する。が、トレイがこんなことを言い出した。
「確かにリア充はこの魔導院中に溢れていますが、もう少し周りに気を使ってください」
ある意味彼らしくない話の締め方に、二人は曖昧に頷いた。

「……キング、なにもサロンまで来ることはないだろ」
昼食はサロンでとることにした。教室にいると暇人という名の弟妹たちが生暖かいというよりは不審者でも見るような目で標語を突き付けて来るからである。相変わらずセブンを膝の上に乗せて腹を撫でてやりながら手作りの弁当を食す。テラスに次ぐリア充、もとい恋人たちの溜り場と化しているサロンには、今日に限って人がいなかった。あまり感情を表に出さないセブンがうっすらと頬を赤く染めているのが可愛らしくてついその耳元で囁く。
「折角人がいないんだ、たまにはいいだろう」
「……っ」
きゅっと目を瞑って、プチトマトをキングの口に押し付けてくるのも実に可愛らしい。
「……別に、人がいたって……その」
かまわないから、とセブンが更に顔を赤くしてぼそぼそと呟いた。それがどうしようもなく愛おしくて、キングは彼女の唇にウサギのリンゴの端を押し当てた。
「……!?」
驚いて目を瞠るセブンは至極可愛らしかったが、キングとしては強面の自分が柄にもなくバカップルのような行動に出たことがなんとなく恥ずかしい。人がいないから出来ることでもあるが、目の前の彼女に軽蔑の眼差しで見られた日には心がキルサイト状態になりかねない。
「その……俗にいう……『奪っちゃった☆』というやつだ」
何とはなしに目をそらして言い訳してみたが、セブンは目を見開いたまま固まって、数秒の後に首筋まで真っ赤になった。
「ばっ……ばか!恥ずかしいだろ!」
軽蔑の眼は回避できたが、彼女もやはり恥ずかしかったらしい。申し訳ないことをした、と恥ずかしさに目を合わせずにいると、唐突にマントをぐっと引っ張られた。そうして、唇に柔らかいものが押し当てられる。それが卵焼きと……セブンの唇だと理解したのは、彼女が弁当箱を閉じてキングの胸元に顔を伏せてからだった。
「……本当に……恥ずかしいんだからな」
可愛い。可愛すぎる。柔らかくて温かい身体をぎゅっと抱きしめて、その髪の毛に唇を寄せる。セブンのこんなに可愛いところを見られるなら自重しなくていいかもしれない、そう思う。
「部屋なら……恥ずかしくないか?」
キングがそう問いかければ、彼女はわずかに、だが確かに頷いた。
「部屋なら恥ずかしくない……」
なら、続きは放課後だな。
そう囁けば、セブンはまた頷いた。

そんな約束を交わした二人が教室に戻ると、はた迷惑なバカップルを見る目をした弟妹たちと、いちゃついているバカップルことマキナとレムと、何故か大鎌を担いで仁王立ちをしているサイスが待ち受けていた。
「どうした?」
セブンが首を傾げると、サイスがさっと頬を赤らめる。が、気を取り直したように怒鳴り散らした。
「昼前に言ったこと、お前ら全部忘れてんじゃねぇか!」
「人気のないところなら構わんのだろう」
セブンを庇うようにキングが前に出ると、サイスの額に青筋が立った、ような気がした。そのままサイスは得物を振り上げて、ダークネビュラが発動する前にキングはセブンの肩を抱いて教室を抜け出した。
「リア充は部屋でやれつってんだろ!」
という怒声と破壊音を背に受けながら。

おわり
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