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ここは「花待館」の別館となっています。非公式で「うみねこのなく頃に」「テイルズオブエクシリア」「ファイナルファンタジー(13・零式)」「刀剣乱舞」の二次創作SSを掲載しています。
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こんにちは。

パソコンをね、新調しまして。画面が大きくなってゲームやイラストには快適なんですが……スピーカーを買い忘れて音が出ないという。

今回はホプライで去年のFF14某イベントの報酬ネタというかなんというか。イベント自体は確かミラージュプリズム実装前なので一部現在のFF14ARRとは相違点がありますが、気にしないでください。PS3でプレイしていたのでライトさんが見れなくて悲しかったのは良い思い出です。また来てくれないかな。

ピクシブ再録になります。



ミコッテの話 2



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異世界エオルゼア。ライトニングたちが暮らすノウス=パルトゥスとは違って、力強い生命溢れる世界。終わりを始まりとする世界。ライトニングがその世界に触れたとき、命の輝きがとても羨ましかった。たとえとあるミコッテにとある装備を見せられたとしても。そして今また、目の前の男がそれを差し出しているとしても。
「ライトさん、完成しましたよ!エオルゼア特産の耐熱装備!」
「それは水着とどう違うんだ?」


ミコッテの話 2


ホープが言うように、エオルゼアには耐熱装備なる装備がある。その世界で過ごしたことを、神の気まぐれで今更思い出し掛けているが、違法の地を旅する間、仲良くしていたとあるミコッテがその耐熱装備を見せてくれたことがあった。そのときもそう言ったのだが、確か「全く違わないと思いますにゃ」なんて首を傾げられたのだった。ホープも同じ反応をするかと思ったが、彼はにこにこ笑ってこんなことを言った。
「それはコーラルマーメイドが下着とどう違うのか、っていうのと同じです」
「つまり水着とは違う、と言いたいのか」
「水着じゃないんですよ、ちゃんとした装備です」
自信満々に胸を張るホープに一瞥をくれてやると、ライトニングは平坦な声で言葉を絞り出す。
「エオルゼアで会ったミコッテは同じだって言ってたぞ。自分のレベルが高くならない限り海にも着ていかないらしいが」
「え、着ていかないんですか……」
ぐ、とホープが言葉に詰まる。確か最初の方で感情が曖昧だとか言っていたが、一連の言動を見ていると全く疑わしい限りである。
「まぁ、お前が着て欲しいなら風呂で着るが」
「お風呂で着るなんて邪道です!ぜひ!箱舟で!着てください!」
ライトニングがそんな案を出した瞬間に真剣にそう叫ばれて、自然と一歩後ずさる。
「なんで海に行くわけでもないのに着なきゃいけないんだ!」
「だって!ライトさんの水着姿、生でみたい!」
さっきと言っていることが全く違うような気がする。それを指摘すれば、彼は何故か胸を張って開き直る。胸を張れることではないはずなのだが。
「だって!僕が見たいんです!それじゃダメなんですか!」
「見たいなら最初からそう言えばいいだろう!」
「だってライトさん、いつも僕があげたやつ着てくれないんですもん!」
そんな他愛のない、しかしライトニング達にとっては必死の攻防を繰り広げながら、彼女は思う。
(あの子がこれを見たら、笑うかな)
神様に消されたはずの記憶。その彼方で微笑むのは、決まって1人のミコッテだった。耐熱装備のことも、彼女から聞いたのだ。数多くの冒険者に出会い、戦う覚悟を決めた。それをライトニングが伝えたときの彼女の顔は、もう思い出せない。けれども、何回か出逢って、一緒に戦ったあの子なら、きっと笑ってさよならしたはずだ。
「ライトさん」
「なんだ」
「この間の話ですけど」
「は?」
「ほら、エオルゼアに新婚旅行に行こうって」
「ああ」
「ちゃんと行って、幸せな姿、見せてあげましょうね。そのライトさんのミコッテに」
「私のじゃない。たまたま仲がよかっただけだ。だから最後に会いに行った」
お前のところに帰る前にな、と囁けば、ホープはさも当然ですと言わんばかりにふんぞり返った。
「僕がライトさんの夫ですからね」
「お前感情が曖昧とか言ってただろ」
「曖昧は曖昧なんですよ」
過去の出来事もあなたへの想いもみんな他人事みたいですし、とホープは言う。さっきから耐熱装備を熱心に勧めたり夫を名乗ったりしている人間とは思えない言いぐさである。
「私にはずいぶん過保護だろう。というかお前は結局誰が好きなんだ」
色々とホープの言動に思うところがあってじろりと睨むと、彼はよく聞いてくれたと言わんばかりに満面の笑みを浮かべた。
「ライトさんですよ?今も、昔も、……これからも」
その言動は愛しいと思う。けれども、同時に切なくてしようがなかった。きっとその想いは受け入れられないから。
その切なさを振り切るように首を横に振る。
「それを、いつかあの子の前で誓いたいものだな」
「ええ……本当に」
ホープの切なそうな笑顔が胸に刺さって、止せばいいのに余計なことを言ってしまう。
「ま、まぁ、ここにいる間ならなんでもしてやる」
その瞬間に奴の切なそうな笑顔は消え去った。全く満面の笑みである。
「じゃあ、耐熱装備、着てください!」
「またそれか!」
見たい見たい見たい、と目を輝かせて主張するホープに、ライトニングはため息をつく。
(私も甘くなった……そうだろう?でも……)
くすりと小さく微笑んで、ホープの頭を撫でる。
「ライトさん?」
「……一回だけだぞ」
わあい、とホープの快哉があがる。
(……悪くはない、だろう?)
思い出しかけたとはいえまだまだ霞む記憶の彼方で、あのミコッテが頷いた、ような気がした。



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