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ここは「花待館」の別館となっています。非公式で「うみねこのなく頃に」「テイルズオブエクシリア」「ファイナルファンタジー(13・零式)」「刀剣乱舞」の二次創作SSを掲載しています。
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こんにちは。今回はLRFF13のフライング妄想小説。
いつも通りホープ君がいろんな意味で酷いです。
では、どうぞ。

27歳の思春期





拍手[13回]



「とどめだ!」
ライトニングの放ったサンダガで、敵は呆気なく散っていった。
ふぅ、と息をつくと、箱舟にいるホープから通信が入った。
「なんだ」
「ライトさん!スカート短すぎです!」


27歳の思春期


「……は?」
意味を図りかねてライトニングがそう返すと、ホープはまるで叱るような口調で続ける。
「スカート短すぎてパンツ見えそうなんですから、あんまり暴れないでください!」
「……いや、無理だろう」
ライトニングの現在の衣装はダークミューズ。ミニ丈のタイトスカートの中にはもうずっと前に穿いていたスパッツはない。本当は穿きたかったが、ブーニベルゼとその他諸々の大きな力のせいで却下された。
ミニスカートは元々着ていた軍服のスカートの丈とたいして変わらない。実に戦闘向きの丈である。が、何故かホープは気に食わないらしい。
「ダメです!そういう衣装は僕の前でだけ着てください!」
「いや、戦闘のために衣装があるんだろ?お前の前だけって……」
戸惑い半分にライトニングが返事すれば、ホープの声色が拗ねた色を帯びる。
「だってライトさん、可愛すぎです……他の人達が見たらふらふらっと寄ってきちゃいますよ!」
ただでさえ無防備なんだからとかなんかんとかごにょごにょと文句を呟いているホープに、ライトニングは土産でも買っていってやった方がいいのだろうかと久し振りに悩んだ。



「ライトさ~ん、6時ですよ~♪帰ってきてくださいね~☆」時計を見ればちょうど6時。通信機からはホープのとっても嬉しそうな声が聞こえる。エクレールという一個人としてはちょっと嬉しいが、解放者のライトニングとしては……それでいいのかホープ・エストハイム、と言わざるを得ない。
もっとも、ライトニングが文句を言う前にホープがさっさと帰還プログラムを起動させたため、インカム越しに文句を言うことは出来なかったのだが。
「お帰りなさいライトさん!僕にしますか?」
「……風呂に入ってくる。食事はその後だ。……こら、何故脱ぐ」
風呂のふの字を聞いた瞬間に衣服を脱ぎ出すホープの額を指で弾きつつ、そうだ、とポシェットから買ったものを取り出した。
「これ、お前に」
差し出せば、薄着になったままホープはそれを嬉しそうに受け取った。
「ライトさんのフィギュアですか?」
「お前はいつからそっちに手を出した」
「ライトさんのためなら何だって!」
もはやしょうもないことになっているホープの額を再び弾いて、ライトニングは包みを開けるよう促した。
「ナイフ……ですか?あっ、これライトさんの持ってたのと同じやつですよね!」
「よく気付くな」
目敏いホープに苦笑しながら、彼女はその銀髪をかき回す。彼の碧眼が嬉しそうに細められた。
「忘れるはずがありません。あなたのことが好きだから。ずっと、あなたを追いかけていたから」
「そうか。流通しているのを見たときは驚いた」
「だって、流通させたの僕ですから。ライトさんが戻ってきたとき、寂しくないように……って」
頭を撫でていた手をとり、そっと頬を寄せる様が何故だか成長を感じさせる。健気に待っていてくれたのが、忘れないでいてくれたのが、堪らなく愛おしい。
「ホープ」
「はい」
「ありがとう」
ぎゅっと抱きしめて、そういえばまだ風呂に入っていないのを思い出した。幸せそうにライトニングの胸に埋まっているホープを引き剥がす。
「汗まみれだから……風呂を浴びてくる」
「僕も一緒に行きます!」
風呂場に向かおうとすれば、ぎゅっと手首を握られた。
「ありがとうございます、ずっと大事にします。……ところでライトさん」
「なんだ。風呂は1人で入りたいんだが」
ホープの顔がとても真剣で、ライトニングの胸が少しだけ高鳴る。
「ミニスカートでセクシーポーズなんかとられたら、僕が興奮しちゃいます」
「いや、あれはブーニベルゼと別の不可抗力からの指示で……ちょっと待て、興奮するな!」
「それなのに、町中では着るのに帰りはブーニベルゼ謹製のアンヴィヴァレンスオンリーってどういうことですか?」
「お前が生で見たいだけなのか?」
そう問いかければ、ホープは胸を張って頷いた。
「愛してます、ライトさん……だから、着てください。ね?」どうしてこうなった。
目覚めてからいくどとなく繰り返した言葉を、ライトニングは今更ながら心の中で呟く。あれでは中身が27歳の癖に言動と行動が思春期だ。
けれど27歳の思春期というのも、悪くはない。少なくともライトニングは嫌ではない。だから、微かに口の端が上を向く。「私も、愛している」
そう告げれば、後ろで快哉の声があがった。
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