忍者ブログ
ここは「花待館」の別館となっています。非公式で「うみねこのなく頃に」「テイルズオブエクシリア」「ファイナルファンタジー(13・零式)」「刀剣乱舞」の二次創作SSを掲載しています。
〓 Admin 〓
<< 10   2024 / 11   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30     12 >>
[109]  [108]  [107]  [106]  [105]  [104]  [103]  [102]  [101]  [100]  [90
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

こんばんは。もう夏ですね……。今年は夏バテしないようにしたいと思います。
今回はホプライで「悪夢」等と設定が同じものです。
では、どうぞ。

祝福の歌





拍手[11回]


結婚が決まってからと言うもの、ライトニングの身辺はにわかに騒がしくなった。ドレス選びだの、指輪選びだの、ライトニングよりもホープを始めとする周囲のほうが乗り気になって進めていた。
連日の仕事の合間を縫って連れ出されて、ああでもないこうでもないと周りが悩むものだから……ライトニングが何もかも嫌になって、仕事も結婚式の打ち合わせも無いときにふらりと1人、どこかに行きたくなるのも無理からぬことであろう。


祝福の歌


気付いたら、コクーンを支える柱の元に来ていた。クリスタルの柱。これまでの全てが終わった場所、あり得た全てが始まった場所。その柱の中に、ライトニングの大切な友人が眠っている。
「ファング、ヴァニラ……久し振りだな」
眠っているとは解っていても、そう声を掛けずにはいられない。この先も一緒に生きていくのだと思っていたから、尚更。
「……私とホープは結婚することになった。お前たちの企みが……実を結んだよ」
だから帰ってこい。そう願わずにはいられない。
ファングとヴァニラが2人の背中を押さなければ、もしかしたらこんなに早く結婚することはなかったかもしれない。
『どうしたの?マリッジブルー?』
不意に、声が聞こえた。懐かしい声。
「マリッジブルー……かもな」
ヴァニラか、とは聞かなかった。ライトニングには聞けなかった。その代わりに肯定の意を示す。すると、また声が聞こえる。
『なんだよライト、やっと結婚なのに冷めちまったか?』
「有り得ない。ただ……少しだけ疲れただけだ」
『当然式はグラン=パルスでするんだろ?』
「その予定ではあるんだが……ドレスと指輪が……」
周りが率先して選びに連れて行くから、少し疲れた。そう言えば、2人が面白そうに笑う。
『ホープが張り切っちゃった?ライトニングも張り切っていいんだよ』
「仕事の合間を縫ってるんだ、そんな元気はない」
『寿退職とかあんだろ?ライトのことだ、ユウキューってやつもしこたまあんだから使っちまえよ!んで仕事辞めちまえ』
「簡単に言うが……ホープはまだ学生だぞ?」
稼ぎもないのに夫婦生活は営めない、とぼやけば、2人はまた面白そうに笑う。
「お前ら……」
『ごめんごめん。……ライトニングは、きっと寂しいんだね』
『ホープや周りが張り切りすぎて、ついて行けなかったんだろうな』
『置いてかれた気分になっちゃったんだね』
違う、と反論したかった。けれどもその言葉はあまりにもライトニングの胸の内に収まって、ちょっとやそっとでは抜けそうにない。
「あの日から……お前らに恥じない生き方をしようとして、もがいてきた。前を向いて走っているようで、私には何も見えていなくて。恋が本物かを見分けるために距離を置いたのに、いつの間にかホープなしでは生きていけなくなっていた」
そうか、とライトニングは1人呟いた。
私は寂しかったのか、と。
「あんなにホープが張り切っているから、置いて行かれた気分になったのか……」
『なら、待ってて貰えばいいじゃない?』
『ライトのほうが年上なんだ、少しぐらい待たせたって罰はあたらねぇよ』
ほら、と言われて振り向けば、銀髪を風に靡かせて全力疾走してくる青年が視界に映る。
「エクレール!」
青年が……ホープがあまりにも嬉しそうにその名を呼ぶものだから、ライトニングの胸は愛おしさでいっぱいになって、衝動のままに走り出す。そのままホープの胸に飛び込めば、出会った頃よりもずっと逞しくなった腕が彼女を抱き締めた。
「もうもう、心配したんですよ?今日は何もないから、エクレールといちゃいちゃしようと思ったのに」
「……すまない。その……指輪とかドレスとか、疲れてしまって」
あんまり張りきっているから、少し寂しかった。
そう素直に口に出せば、ホープの表情が至極嬉しそうにくしゃりと崩れる。
「エクレール、可愛い。気付かなくてごめんなさい。でも、言ってくれて嬉しいです」
「ホープ……」
「僕たちはこうやって夫婦になっていくんですね。幸せすぎて嬉しいです!」
だから、とホープがまるで柱の2人に宣言するように言葉を紡ぐ。
「エクレール、僕と幸せになりましょう。結婚、しましょう」
「ああ。……愛してる、ホープ」
2人の髪を揺らす風が、彼等からの祝福に思えた。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール
HN:
くれさききとか
性別:
女性
職業:
社会人
趣味:
読書、小説書き等々
自己紹介:
文章書きです。こちらではうみねこ、テイルズ、FF中心に二次創作を書いていきたいと思います。
呟いています→@kurekito

通販はこちら→チャレマ様
カウンター
最新CM
[01/13 くれさききとか]
[08/21 紅崎姫都香]
[08/06 葉月 若菜]
最新TB
ブログ内検索
アクセス解析
アクセス解析です。お気になさらず!
フリーエリア
Copyright(c) 胡蝶苑 All Rights Reserved.* Powered by NinjaBlog
* photo by 空色地図 * material by egg*station *Template by tsukika
忍者ブログ [PR]